更新日:2025.06.07
ヒスイカズラ結実

大温室クリスタルパレス バリガーデンで3月下旬からちらほら咲き始め、ゴールデンウィークまで咲くヒスイカズラ。(上の画像は4/12撮影)
現在、実がなっています。
一昨年の2023年に初めて結実し、今年2回目で4つなりました。ですが、1つは成熟する前に落ちてしまったので、今ぶらさがっているのは3つ。

フィリピン原産で、日本では温室のある植物園や公園でしか見ない植物です。
ほかの植物にはない神秘的な花色と形に魅了されますが、実がなることは珍しいことなのです。現地ではコウモリが花粉を運ぶ役目を担っていますが、日本の温室内にコウモリが住み着くことなどまずないでしょうし、ヒスイカズラ自体、他の花の花粉じゃないと実がなりにくい仕組みになっているので、日本で自然に実がなることは稀なのです。
一昨年にできた実の中身がこちら。

中にはこのような大きなタネが入っていて、これを蒔いて約2年。現在順調につるを伸ばしています。
一部の植物園では、ヒスイカズラの実をならせるのに人工授粉を試みていますが、成功するのは1%以下だとか。
では、はままつフラワーパークでは何をしているのか?その技術力とは?・・・と言いたいところですが、何もしてません。自然には実がならないはず・・・う~ん???
何の仕業でしょう?
よく花の蜜を吸いに来るメジロ?だったらもっと前から実がなっていたでしょう。では、最近ヒスイカズラに訪れるようになったものとは・・・。
クリハラリス
浜松の中心部では40年以上前から目撃されていましたが、近年生息域を拡大し、5~6年前からフラワーパークでも見るようになりました。今のところ、ヒスイカズラの結実の手助けをしたのは、このリスが有力候補。
農作物に被害をもたらし、ヒスイカズラの花もぽとぽと落としていく犯人が珍しい結実に貢献しているとは、何とも複雑な思いです。
何はともあれ、ヒスイカズラの棚の上部で実がなっています。葉と同じ緑なので分かりにくいとは思いますが、つるのある領域をあちこち探してみてください。ヒントは、鳥の仕業ではないので温室の鉄骨が無い中間にはありません。
みなさまのご来園をスタッフ一同、心からお待ちしております。
パーク管理課 徳増